2012年05月23日

映画「ローズ・イン・タイドランド」

ローズ・イン・タイドランド [DVD] / ジョデル・フェルランド, ジェフ・ブリッジス (出演); テリー・ギリアム (監督)


不思議の国のアリスが元になっているようだけど、不思議の国のアリスってこんな話??
この映画は、特にファンタジーって感じでもない。
ローズは友達が1人もいなくて、母、父が死んでしまう。両親が死ぬ前も2人は薬中毒で、まともに相手にしてもらえない。
指人形だけがお友達。指人形との会話をしすぎたのか、多重人格のような精神分裂のような状態になってる。

空想が好きなファンタジー少女ではなくって、現実逃避をしている。
寂しさを紛らわすために、そーするしかなかった。
そんな空想の世界に旅たってる少女の状態が、ファンタジーであるとは思えないし、思いたくない。そんなファンタジーは悲しすぎる。

隣家の弟も、どーしようもない現実から逃れるために鮫を殺そうとする。小さな自分が大きな事をやってやる!間違った方向へ進む自己表現。

抑圧されて、強制されて生きている人物達の解放されたい気持ちが、良い方向と間違った方向に進む物語。

主役の少女が、可愛らしく、明るい。寂しい、つらい表情をあまり見せないのが、この映画の救いだ。偽の笑顔に救われてはいけないのだろうけど。

アメリカの草原の中にポツンと建っている家には、怖い秘密が隠されているのかな。
テキサスチェーンソー、ジーパーズ・クリーパーズのような設定。怖さではなく、ファンタジーが隠されているって部分が、アリスの世界ってことなんだろうな。

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2012年05月17日

金城一紀「映画篇」

映画篇 (集英社文庫) [文庫] / 金城 一紀 (著); 集英社 (刊)

なかなか良い話が詰まってる短編集。
どの話にもでてくる区民館での映画「ローマの休日」無料上映会。
それが、最後の話でピタリと収まる。
ローマの休日が、すごく優しい、暖かい作品の代表として登場する作品だ。
個人的に好きなのは、「ペイルライダー」
パンチパーマのおばちゃんと少年のひと夏の冒険。強すぎる正義は、悪にも見えてしまう場合もあるけど、そうは見させない芯のしっかりとしたおばちゃんの言動に感心、感動。

糞つまらない映画の代表として全話にでてくる金持ち女とアラブ人労働者が不倫する映画は、なんなんだろう。
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2012年05月14日

映画「007 カジノ・ロワイヤル」

007 カジノ・ロワイヤル (初回生産限定版) [DVD] / ダニエル・クレイグ, エヴァ・グリーン, マッツ・ミケルセン, カテリーナ・ムリーノ, ジュディ・デンチ (出演); マーティン・キャンベル (監督)


見事にクールでカッコいい007だった。
冒頭の冷徹な殺し屋の雰囲気からはじまって、財務省の女性と恋仲になり人間らしい一面を見せる。
そんな話の流れがとてもよかった。ピアース・ブロスナンに変わってから、007シリーズは見始めたけど、陽気で明るくて女に軽い彼女に比べて、陰気で人妻が好きなボンド。赤い炎は見た目はいいけど、青い炎のほうが強く激しい。そんなボンドを演じたダニエル・クレイグは良かった。

ボンドガールのエバ・グリーン?もボンドにあわせるかのように地味で派手さは無いし、強くも無い。でもドレスを着たら綺麗で、胸もしっかりとありスタイルもよくって魅力的。
ラストで、自分の愛する彼氏が捕まってしまっていたから、仕方なく裏切ったという話にピッタリとはまる女優だった。

今回のボンドは、冷徹で感情のない人間から、自分の道を進みすぎ愛する人に裏切られ死なせてしまう。人に対して疑心暗鬼になる事なく、事件に反省しMI6の仲間を信じる協調する気持ちを持った次回のボンドでは、今回よりも明るさ増しにする必要があるだろうから、どーなるのだろうか。ダニエルは、笑顔がはにかんだ感じで、満面の笑みが顔に表れにくい人だろうから。

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2012年05月09日

映画「マリー・アントワネット」

マリー・アントワネット (通常版) [DVD] / キルスティン・ダンスト, ジェイソン・シュ...

全然、面白くなかった。
ソフィア・コッポラって、ロスト・イン・トランスレーションでアカデミー脚本賞を受賞してた人なのに。
洒落た台詞のやり取りがあるわけでもない。
贅沢な生活、毎日お洒落なお洋服を着ている宮殿の女達がいるだけ。
ファッション雑誌を映像にしましたって感じ。
内容のなさにビックリな映画。

14歳で嫁ぎ、18歳で王妃になったマリー・アントワネットの贅沢と孤独を、現在の普通の少女に通じる部分があったという解釈で描かれているんだろうけど、現代人ではありえないお金持ち。・・・ビルゲイツの資産を14歳で受け継いだ人がいれば当てはまるだろうけど・・・。

日本人には、マリー・アントワネットでの例えはわからないって事だろうな。
彼女について、歴史で学んでたり、より知識が深い西洋人には、理解できる部分があったのかな。
女性は、可憐な生活の雰囲気を楽しめるのかもしれないけれども、男性向けではないのは確実に言える。

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2012年05月06日

増田俊成「シャトゥーン―ヒグマの森」

シャトゥーン―ヒグマの森 [単行本] / 増田 俊也 (著); 宝島社 (刊)

粗い。荒々しい人食いヒグマとの壮絶なる戦い。雪によって陸の孤島と化した山小屋からのサバイバルを描いた作品だったんだけど、都合がよすぎる箇所が多いし、おかしな部分も多い(ヒグマとの格闘において)。

ヒグマの襲撃にあい人が食い殺された後に、何事もなかったかのように、動物の生態について雑談したり。そこに緊張感が感じられない。

ヒグマに襲われて腕を噛み千切られたのに「痛いっ」「やめてっ」という台詞。あんまり痛みが感じられない。その台詞までの描写は痛々しいのに、その言葉で痛々しさがなくなってしまった。

怪我の程度のばらつきも気になった。
主人公の土佐薫の双子の弟である土佐昭は、鍛えられた肉体の持ち主だけど、ヒグマに襲われて頭の皮がほぼ捲れてしまっているのに、4日生きて、雪上車に乗って助けに来る。
薫は、ヒグマに胸を押さえつけられて爪が肋骨に到達するまで食い込んだのに、そのシーンの後に痛みを感じてる様子はない。
美々も同じく。肩をかまれて10メートル放り投げられて、前足で押さえつけられる。9歳だから肉も薄いし、危険な状態であろうけど、平気。

ヒグマはエサを土に埋めておいて、腐ってから食べる死肉好きと書かれていたから、適度に傷を負わせてじっくり腐らせるつもりだったのかな??
でも、他の食い殺された人たちは、顔を食われ、腹をさかられて内臓を食われたりしてるのに。


それでも、全体的を通して迫力のある物語だったし、雪の中でのサバイバルを描いている部分は、この小説の見せ場であるヒグマと対峙している部分よりも、サバイバルの雰囲気が存分に伝わってきた。
淡々とした文章なので、読みやすかった。
このミステリーがすごいの特別賞だったはずだけど、物語の謎は夏目教授の死に関することだろうな。

ヒグマってのは、恐ろしい。3メートルで300キログラム。
100メートルを7秒程度で走り、ライオンや虎を一撃で殺すパワーを持つ。地上最強の動物。ツキノワグマは、そーでもないらしい。
追ってくる猟師を欺く術を持ち、自分の足跡を踏み戻り、横へジャンプ。足跡を追ってきた猟師が消えた足跡の場所まで来たら、一気に襲い掛かる。

そのほかにも、実在する巨大な動物が登場するのだけど、オジロワシの巣は直径3メートルで深さ2メートルで、主人公の薫と美々は一晩眠る。そんなオジロワシは、羽を広げたら2メートルを越える。
シマフクロウも羽を広げたら2メートルを越える大きさだし、北海道の大自然には、考えられない怪物に見える大きさの動物がいる。

自然は、大きく恐ろしい。人間は弱く小さな生き物なんだな。

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2012年05月03日

高野和明「13階段」

13階段 (講談社文庫) [文庫] / 高野 和明 (著); 講談社 (刊)

死刑囚を救う。冤罪事件を調べるのが、刑務官の南郷と彼が勤めていた刑務所で刑期を終えたばかりの三上。
死刑のやり方が描かれていたけど、絞首刑だとは・・・。電気椅子とか薬物投与による処刑だと思ってた。

きれいに謎が解かれていく過程は見事。事件解決化と思った時に、起こる意外な展開のラストが盛り上がる。

10年前の冤罪事件と10年前の三上の家出と彼が語らない事実の繋がりが浮かび上がってくるのも良かった。
罪を犯した人物の社会復帰の困難さ、家族との関係、保護観察制度、刑務所の制度なんかについては、それらを主題として書かれた真保裕一「繋がれた明日」のほうが良く描かれていたな。
まぁ「13階段」は、冤罪事件の真相を暴くサスペンス小説だし、詰め込みすぎるのもよくないと思う。

最後に、絞首台への階段は13階段もないそうだ。
入り口が中二階にある二階建ての建物の二階から一階へ落ちる。
13階段のタイトルは、死刑執行書類に押される捺印の数が13という事。

それから、日本の家の階段は13階段が多いそうだ。
我が家の階段を数えたら、1階から2階。2階から3階への段数は共に13階段だった。

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2012年05月02日

映画「見えない雲」

みえない雲 [DVD] / パウラ・カレンベルク, フランツ・ディンダ, ハンス=ラウリン・バ...


原題は、わからないけど、邦題のセンスは素晴らしい。
原子力発電所が、重大な事故を起したら、こんなになってしまうの??ちょっと疑問に思ってしまう部分はあるけど、パニック、騒乱のシーンの迫力はすごかった。

避難警報が出たときの学校内の様子。「これは、避難訓練ではありません。」というアナウンスの直後、生徒は一斉避難。

地震、水害、台風などの避難場所が近場にはでは無理で、すぐにその場を離れなければならないから、いちいち廊下に並んで、校庭に集まって親が迎えに来るのを待って、これない人は集団下校。なんて事やってられないのかもしれないけど。

避難宣言発令!してるのに、駅へ続く道は、軍隊が閉鎖していて「ここから先は、進めない」って・・・避難するな!!って変。バスなどの軍用車で遠隔地へ避難させますって説明もなく。
国の避難計画が機能しないほどのパニック。そこは、パニックになってはいけないのに。

そんな疑問の避難パニックも終わり。
被爆した主人公の話が中心となる後半。
「みえない雲」この意味が、すごく悲しく、せつない。リアルな冷たさ。
でも、そこに愛が戻り、勇気となる展開に救われた。

日本の原子力発電所は、事故を隠蔽するという最悪な体質。
恐ろしい事故を防ぐためにも、この映画を関係者は観たほうがいいと思う。


タグ:みえない雲
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2012年04月20日

横山秀夫「深追い」

深追い (新潮文庫) [文庫] / 横山 秀夫 (著); 新潮社 (刊)

純情系の警察物語。短編集なんだけど表題の「深追い」は、それほどでもなかった。警察官の悲哀を描いた作品なんだけど、そりゃ誰でも怯えるよって思うわけで・・・。
それよりもヒーローになった男と助けられた少年の15年後を描いた作品が良かった。警察官が主人公だけど、警察官のプライベートな部分を描いている作品。
横山秀夫は、このところ短編が多いけど、そろそろ長編が読みたい。「震度0」を越える警察小説は難しいかもしれないけれど。

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2012年04月18日

高野和明「グレイヴディッガー」

グレイヴディッガー (講談社文庫) [文庫] / 高野 和明 (著); 講談社 (刊)

逃げる男。追う謎の集団。そして殺人鬼グレイヴディッガー。
徐々に明らかになってく事件の全貌が、それらの共通点が融合していく展開が、お見事!って感じの結末。

ちょっとありえない超人的殺人鬼ではあるし、SATが弱すぎって感じがした。

良いことするために、奮闘する主人公。どんな人間もやりなおせるんだ!でも、この主人公は根っからの悪ではないように思えたけど。
本当に悪なのは、大きな権力を持ってる奴。そいつが、小悪党に翻弄される展開は爽快。

そして、国家の闇の部分が、いやらしい。
著者の想像が、加えられているのであろうけど。
現実、自衛隊はイラク戦争に反対した人間の行動を監視。データをまとめていた。

国の暗部が絡んでくる展開も、東京都足立区から大田区まで行く。というだけの地理的小ささを、カバーして話のスケールを大きくしていた。

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2012年04月12日

トランスポーター2

トランスポーター2 [DVD] / ジェイスン・ステイサム, アンバー・ヴァレッタ, マシュー・モディーン, ケイト・ノタ (出演); ルイ・レテリエ (監督)

ステイサムのアクションは、前作よりも多くて良いけど、アクションシーンを無理やりねじ込んで繋げた感も否めない。
根本的に、アクション映画ってのは、そーゆうものなのかもしれないけれど。

それにしても、セクシーでイカレタ女殺し屋がもう少し強ければ、もう少し多めに絡んできても良かったんじゃないかな。
登場シーンのインパクトは強く、キャラ濃くしてあるんだから。
もったいない。

続編だし、リュックベッソン関係の映画なんだから、いろいろあったんだろうけれどもミラジョボビッチに悪役やってもらっても面白かったんじゃないかな。フィフスエレメントのときの彼女のような大胆な服装だったし。

posted by ウォーカー at 21:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする