交渉人 遠野麻衣子・最後の事件交渉人 / 五十嵐 貴久前作は、
交渉人 鶴田真由で映像化。永作博美でもテレビドラマ化されてたはず。
ネタバレあり
前作の交渉人は、よかったんだけど、この作品はダメだった。前作の名前で続編も売れるって儲けを狙って作られたって感じさえする。交渉人なのに、交渉がほとんどないから。
犯人は、交番を爆破する。地下鉄爆破テロを起こし逮捕収監されている教祖を解放しろと要求。その直後の電話が最初で最後の交渉。交番爆破直後の混乱もあり、交渉らしい交渉なんてできない。
それからのやり取りは、メール。交渉人は、言葉で交渉するものであると思うので、それがないし、犯人の一方的なメールに交渉の余地はない。警察は、警視庁HPに臨時の掲示板を設置し、そこに要求に対する回答を書き込むのみ。それが交渉として描かれている。
なんだそりゃ!って感じ。緊張感あるやりとりがない。都内に爆弾テロをしかけるという犯人の要求。いつ爆発があるかわからない緊張感というのもそれほど伝わってこない。
小説内の時間をもっと克明にして、ジェフリー・ディーバーのウォッチメイカーみたいに、節を時間で区切ればよかったんじゃないかなと思う。そうすれば、制限時間がはっきりするし多少は緊張感がでたと思う。
ここに描かれているのは、警視庁がすごくバカでかい組織で、万人単位で捜査できる凄さ。
爆発がテロであり、次の爆発も予定されている。都内に爆弾が仕掛けられているという情報が独り歩きし、都内が情報パニックに陥り、それぞれがわが家族、わが身を案じて我先にと帰宅しようとする首都機能壊滅寸前の東京。
こんなになるか??地下鉄サリン事件のとき、これほど大きな混乱が発生したとは思えない。次があると予告されなかったからかもしれないけど。そこは小説だからいいとしても、パニック描写が少し長い。
警察の犯人の意図の推測、犯人の意図。この同じような文章が何度も何度もでてくる。もうすこし整理してすっきりとできるんじゃないかな。無駄に長い。
真犯人がいる。と警察が気がついたとき、読み手もそうなの??と思わせてくれたらいいのに、冒頭で犯人は2人以上だとわかってしまう。犯人シヴァとハスタの会話が描かれているから。これがなければ、単独と思わせといて、真犯人が!!にすればいいのに。
別に、交渉人が主人公にする必要も無い。
交渉できないんだから、それにベテラン捜査官で特殊捜査課の島本が、犯人像のプロファイリングができてる。優秀な捜査官なら、この事件の真相に気がつき謎解きできたんじゃないかな。現場捜査官を主人公にして、もっとアクティブな激しい小説にしあげたらよかったんじゃないかな。
タイトルの最後の事件というのもわからないし。ラストシーンで辞表を提出した遠野の辞表は受理されないから。
posted by ウォーカー at 21:33
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